我が偽りの名の下に集え、星々☆新作ライトノベル紹介☆試し読み（３７）

５月３０日発売！

メーカー希望小売価格：620円＋税

まずは、タイトルとイラストから

この帝国を破壊する。彼女を守るために――。

百名近い皇子達が覇権を賭けて争う時代に、突如現れた皇子ミロ。行方不明だったはずの彼は妹と婚約者を伴い、貴族と資産家の子息のために創設された帝国学園に入学する。そこは権力と貧富の格差渦巻く帝国の縮図と化していた。様々な問題を、その剛胆な策略と得体の知れないスペシャリスト達と共に解決してゆくミロ。しかしカリスマも才気も備えたその皇子ミロは偽者だった――!!　友の意志を継ぎ皇子となった少年の入れ替わり英雄譚、開幕！

著者の庄司卓さんは何本もヒット作を出してきたベテランの作家さん。「それゆけ！宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」「グロリアスドーン」等、宇宙や地球外生命をモチーフにしたSFを得意としており、ファミ通文庫からは「トゥインクル☆スターシップ」等が有名ですね。イラストのsimeさんは、ライトノベルのカバー・挿絵を沢山描いており、特に精緻で広がりのある背景絵や服装、アイテム等のガジェットを得意とする。

⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ

宇宙を舞台にしたものとしては、先頃も紹介した「アストロノーツは魔法を使う」がある。死んだ人、非常に優秀だった人の身代わりという点は似ているが、申し訳ない。本作の方が設定、ストーリー共に良く、本格的に読ませるお話になっている。また、複合的な構造になっており、「下克上英雄譚」「宇宙バトルもの」「戦略や権謀術数を駆使した戦記もの」ひょっとすると「学園もの」という設定にプラスして、複雑な人間関係から生じるドラマティックな展開も注目される作品。

基本的には、身代わりの影武者が、亡き親友のために、妹を守りつつも革命を成し遂げる英雄譚という形。そこに「宇宙」「バトル」「人間ドラマ」が付加されている。展開としては、非常にアップダウンの激しい作品になりそうで、爽快感を感じさせる戦争や外交系のお話と、複雑な人間関係から生じる葛藤が描かれるセンシティブでドラマティックなお話の両輪で話が回っていくと思われる。

■気になる点

■総評
最初の部分の読みにくさが印象に残りました。ちょっと我慢すれば、後は面白いと思うのですが、最初の部分で離脱せずに読んでいただければと思います。壮大な舞台、作り込まれた設定、爆弾を抱えた人間関係を見るとのドラマティックな展開が予想されるだけに、長く続いてほしいシリーズですね。
・戦記ものが好きな人
・宇宙でのバトルが好きな人
・ドラマティックな人間ドラマが好きな人
・28歳以上の人