ありえない青と、終わらない春☆新作ライトノベル紹介☆試し読み（４０）

ありえない青と、終わらない春

６月２日発売！
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メーカー希望小売価格：640円＋税

あのとき選択しなかった運命を選ぶため
わたしは、この時間に戻ってきた！
ありうべき真の未来めざして、ふたりの青春が疾走する！
感動をよぶ巻き戻り系純愛劇登場!!!

桜舞う四月に、石崎海が出会ったひと、前田きらら……いつもクラスの中心で、華やかなものすべてに包まれているかのようなとびきりの美少女。しかし彼女には“秘密”と“枷”と“婚約者”がいた――偶然からきららと一緒にいるようになった海は、ほどなく秘密を打ち明けられる――「私は決死の覚悟で、この時間に戻ってきたの……あの時選択しなかった運命を、選択するために――」戸惑いつつも彼女の真の願いを理解したその時、海はきららを好きになっていた……叶わないことを知りながら、人生で初めて、大好きなひとのために全力を尽くそうとする海。ありえない青空の下、終わらない春をめざす二人の物語が始まった。鮮やかな季節を瑞々しい感性で描く青春譚登場！

⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ

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タイムリープもの＋青春もの、この２つは非常に相性がよく、このテーマの小説は数多く存在する。その中でも本作は広義の意味での「シュタインズゲート」型。自分の選んだ行動を変えて、未来を変えることを目的とするストーリー。ただ、本作の特別なところは、変えようとしてる人間が40歳の女性という点。かなりのときを経て、かつ女性が、意志を持って自分自身でタイムリープするのは非常に珍しいと思う。また、ヒロインの精神年齢がかなり高いのは、「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか？」のお母さんヒロインと同様中々珍しい。

ＳＴＥＩＮＳ；ＧＡＴＥ─シュタインズゲート─ 円環連鎖のウロボロス（１） (富士見ドラゴン・ブック)

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか？<通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか> (富士見ファンタジア文庫)

主人公が攻略される側という状況。しかも相手は精神年齢40歳でカワイイ美少女。かつ、完全に落としにきてる。普通に考えたら、絶対に回避不能。と、思われるが、やっぱり年の差は色々な面で不都合を起こす気もする。母親に反発する男子高校生的な何かが障害となるとか、常識や言葉の綾から来るズレが、決定的なすれ違いを起こすとか。ストーリー展開をラブコメに寄せるなら「ゲーマーズ！」のような形が面白そう。ただ、人の生き死にがかかわったりするシリアスな展開の可能性もあるので、完品を読んでみないことには……。

ゲーマーズ！雨野景太と青春コンティニュー<ゲーマーズ！> (富士見ファンタジア文庫)

■気になる点

ある意味筆力が問われる作品。特に成熟したしかも美少女な女性が確実に殺しにくるさまを、行動にせよ、心理描写にせよ、表現するのは、とてもじゃないが男の私にはイメージがわかないレベル。ひょっとしたら著者は女性なのかもしれない。あとは、青春をタイトルに当て込んだようだが、残念ながらそこまで良いタイトルには思えなかった。これは著者とかじゃなく、編集のセンスかな。上手いこと言ったつもりなんだろうが……。

■総評
ぱっと見、青春ものの中では、トリッキーで読み応えがありそうな内容。判で押したような感じではないので、非常に読みたくなるし、何となく売れそうな感じもする。ただ、ちょっとわかりづらいという印象だった。タイトルなのか、カバーなのか、冒頭の内容なのかはっきりとは言い切れないが……。設定の良さが十二分に生かされれば、確実に名作になると思われるので、期待したい。
・トリッキーな青春ものが好きな人
・ちょっと違ったタイムリープものが読みたい人
・小説を読んでドキッとしたい人
・ヒロインが全力で落としにくる小説が好きな人