月間売れたラノベ新シリーズ（２）★キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦・あやかし姫は愛されたい★２０１７年５月

暦の上でも梅雨が迫り、ぐずついた天気が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、５月が終わり祝日のない６月がやってまいりました。

恒例のその月売れた新シリーズの復習をしてみたいと思います。先月は下記２シリーズが重版出来しました。歴代の５月新シリーズを振り返りながら、少しお話ししてみたいと思います。

２つあるので、まずは

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦

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あらすじ、詳しくは公式で
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 | 富士見書房

■簡単なクリエーターまとめ
著者の細音啓さんといえば、「氷結鏡界のエデン」「世界の終わりの世界録」という２つのヒット作で知られた作家さん。ファンタジー作品には非常に定評があり、作り込みや設定のしっかりした物語が多い印象。本作にもそれが如才なく発揮されていました。イラストの猫鍋蒼さんは、しっかりとしたファンタジー作品の挿絵を沢山やってこられた方です。本作では、キャラクターのかっこよさ、美しさ可憐さというところでもクォリティの高いイラストを描いておられました。

恋する雪女はビンカンです

人と妖怪の共存を目指す“共学”校・紫苑学園。
両陣営のエリートが集まるこの学園に転入してきた一見平凡な少年・彰人には２つの秘密があった。
一つは彼が永い眠りから目覚めた人妖大戦の英雄であること、そしてもう一つは、喪われし最強の力“神鬼の血”をその身に宿していること。
この秘密が明らかになった時――学園の女の子による過激な彰人争奪戦がスタート!?　一方で、彰人は彼を氷漬けにして長い眠りにつかせた雪女・氷華と再会を果たす。
しかし彼女は彰人に触れられただけでエッチな声を上げちゃうほどビンカンになっていて……!?
抑えられない愛と情欲が紡ぐ戦いの物語がここに開幕――!!

■簡単なクリエーターまとめ
著者の岸根紅華さんは新進気鋭の作家さん。「戦華の舞姫　戦華ノ姫君ハ汚レナイ」が出ており、このジャンルが好きな方なのは確かのよう。それに加え、今回の作品は「小説家になろう」を土台にしているようで、向うでの人気度を見てから出版に踏み切ったのかもしれない。イラストのXinさんは、同人界では有名な絵師さん。ラノベ挿絵は初にして、おそらく重版がかかるシリーズ持ちとなった。

■過去の５月の有名作品
まあ、なんといっても、「カゲロウデイズ」ボカロ小説というジャンルを作り出し、一時代を築きました（未だに続巻は売れています）次いで「インテリビレッジの座敷童」、「ストライク・ザ・ブラッド」、そして「東京レイヴンズ」。妖怪や吸血鬼等、神話や童話等が舞台設定に組み込まれている作品が多いです。それに加えて、壮絶なバトル、劇的なストーリー展開と、まさにラノベの王道を行く作品が多く出版され、売れているという印象です。

カゲロウデイズ -in a daze- 「カゲロウデイズ」シリーズ (KCG文庫)

そしてなんと、今年も妖怪ものであるところの「あやかし姫は愛されたい」オカルト的な要素は無いものの、いわゆる王道ファンタジーであるところの「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」何となく傾向が似ているように思いました。ちなみに去年のランクインは、「現実主義勇者の王国再建記」と「おれの料理が異世界を救う！」そして「学園陰陽師」前の２作品は、３巻まで発売され今後の予定もあるようですが、学園陰陽師、数字は良かったっぽいんですが、今のところ単巻です。心配ですね。幽霊、妖怪系は難しいという話を以前したかと思いますが、こと５月に限っては、挑戦してみるのが良いかもしません。