正しいセカイの終わらせ方 ―黒衣の剣士、東京に現る―☆新作ライトノベル紹介☆試し読み（４３）

毎回新シリーズライトノベルの試し読みから新作を紹介する本コーナー
今回は、このラノベをインフォします。

正しいセカイの終わらせ方
―黒衣の剣士、東京に現る―

６月９日発売！
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メーカー希望小売価格：630円＋税

破滅する世界に現れた少年は果たして悪魔か？　救世主か？
ミステリアス・ファンタジーの新機軸!!

「最高機密の情報が誰かの手によってハッキングされ、この学校に流された」
　私立聖果高校の全校生徒はもちろん教師たちも体育館に集められる中、数多くの刑事を従えて、雛森キョウコと名乗る女性は驚くべき真実を語りはじめる。
「まもなく地球の文明は消滅する。この情報が世間に知られればパニックは免れない。漏洩は決して許されない。この事実を知った者を生かしておくわけにはいかないのだ」
　そう言って雛森が合図をすると、刑事たちは羽織っていたコートの懐から短機関銃を取り出し、銃撃をはじめた。閉鎖された体育館内は地獄へと変わっていく。その中で、高校一年の赤咲カナミは、髑髏の面をかぶった男を目にする――。
　世界の終末に現れた男は果たして悪魔か、救世主か？

アンチリテラルの数秘術師

兎月山羊

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⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ

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SF作品。普段はなかなか読まないタイプの小説だが、そういえばラノベってこういうジャンルから始まったんだったと感じられる正統派本格ラノベ。ミステリー要素と人死にも描かれているので、硬派なのかな。詳しくないのでよくわからないが、その昔は筒井康孝、近しいところでは「ラプンツェルの翼」や「アトリウムの恋人」で有名な土橋真二郎など、SFミステリージャンルかな。

ダークな印象。元々、「全部ハッピーエンド！」をゴールとしていないお話に見える。何かを犠牲にして何かを掴むお話で、鬱展開は必ず出てくる。世界観や設定は非常に作りこまれており、その分、リアリティと、現代人への問いかけを投げかけてくる作品でもある。多分、絶対死守しなければならない希望だけ残る、というような不幸中の幸いみたいなところを落としどころにするのかな。１つのテーマをモチーフとしておりあまり続巻が長く続く感じでもなさそう。

ニリツさんのカバーを見てもおっさん向けかなという点が気になる。おっさんはBOOKS系を読むことが多いので、購買層との食い合わせが心配。ただ、電撃文庫は数か月に1度は、この手の作品を出しているので、いいのかもしれない。主人公の年齢が10代ということもあって、メディアワークス文庫ではないのだろう。

■総評
よさそうな作品というか、続きが気になる作品でした。そういえばライトノベルって元々、こういう設定やストーリーに凝ってるSFや、ミステリー作品が元祖の１つだったなと（もう１つの流れとしてファンタジー）。そこからどんどん柔らかくなっていって、テンプレハーレムラブコメのような形になったような気がするとラノベの歴史に想いを馳せました。なので、10代後半とかにはあまり受けなさそうな感じですね。大人にはおススメ。