たったひとつの冴えた殺りかた☆新作ライトノベル紹介☆試し読み（５４）

７月１日発売！

その男、最凶につき

異能力が売買され、個人が圧倒的な戦闘力を持つ時代。強力な異能が高額で取引されるなか、代金の支払いを滞納する者を追うための「債権回収機構」が組織されることになった。機構の凄腕エージェントであり、情け容赦無さで名高いノーマンはマフィアが支配する町バリオスにて高ランクの異能の滞納者の情報を得る。早速、相棒でありボスであるアイビスと共に異能回収に向かったノーマンだが、待ち受けていたのはマフィアの抗争だった。圧倒的なパワーで無慈悲に敵をなぎ倒す異能バトルアクション登場！

⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ

f:id:ryuhyoi:20170630034842j:plain

■ジャンル
主人公がおっさん（私の中ではスティーブン＝セガールみたいなイメージ）ということもあって、ライトノベルではかなり珍しいと思う。また、設定がすんなりとは入っていかない型の小説となる。青年コミック系だと「GANGSTA.」とか、そういう暴力や犯罪が肯定されているような、雰囲気感に近いように見える。ただ、正直このジャンルの小説に対しては、あまり詳しくないので、何とも言えない。

■ストーリー
試し読み段階では、１つ１つの事件に対して主人公たちが解決を図っていくオムニバス形式なのか、何か１つのバトルを帰結点として、お話が徐々に進んでいくタイプの小説かなのかは、わからない。基本的には後者だと思うが、純粋に、バトル描写と、登場人物たちの、過去や現在の事情、トラウマなどの内面描写に切り込んでいくお話になっていくのかなと思う。情け容赦がないと表現される主人公が少し柔らかくなるのか。バトルの後に爽快感とカタルシスを感じられるのかが気になる作品。

■気になった点
難しいなと思ったのは、まず第一に主人公や登場人物に対するシンパシーが得づらいこと。漫画のように購買層敵に及んでいるコンテンツと違い、ラノベは、ある程度の当たりジャンル外れジャンルが明確に存在している。今回のお話は、徹底的に媚を売らないスタイルなので、刺さる人が居ればヒットするかもしれないが、売ること自体は中々難しいように見える。

■総評
かなり挑戦的なタイトルと言える。実際他コンテンツ（漫画やアニメ、ゲーム等）では、この手のジャンルに多数のヒット作が存在する。ただし、ラノベではとなると、中々見当たらない。そこが難しいところであり、挑戦であると思う。登場人物たちはキャラ分けがきちんとされているし、設定的なところでも新しさを出すことが出来ているだろう。あとは、魅せるストーリー、圧倒的で劇的な展開、最後にバトルでのカタルシスが用意されているか、そのことに尽きると思う。それがあることを祈って、今後の展開に期待したい。
・ギャング漫画が好きな人
・暴力ありの人情話が見たい人
・摩れた主人公と純粋なヒロインのカップリングが好きな人
・おっさんかっこいいラノベが好きな人