双子喫茶と悪魔の料理書☆新作ライトノベル紹介☆試し読み（５７）

６月３０日発売！

まずは、タイトルとイラストから
そして、あらすじ、詳しくは公式で

叶えたい願い。
叶ってしまってはいけない願い。
想いがぶつかり合ったとき、少女の選択は――
――さあ、恋を始めよう。

「だって、篝はずっと誰かのために料理をしてきたでしょう？」二年前。幼馴染みの少女・葉月から、なにげなくかけられた言葉。きっとあの時、ただの幼馴染みは、初恋の少女に変わった――。そして現在。俺はいまだ葉月に告白できないまま、葉月とその双子の妹・水希とともに、彼女たちの実家の喫茶店でバイトをしていた。そんなある日、水希が持ち出した古本から――幼女が出てきた。彼女は願いを叶える妖精キキと名乗り、強引に俺の縁を結ぼうとする。だが、キキが俺の縁を結んだのは、葉月ではなく水希の方で……!?料理と、恋と、切なさと――。喫茶店が舞台の感動ストーリー！

■著者
著者の望月唯一さんは、2014年に第3回講談社ラノベ文庫新人賞“優秀賞”受賞の「サービス＆バトラー」でデビュー。少し設定にこだわったラブコメに定評がある新進作家さんですね。「救世の背信者」はアマゾン等での評価も高いです。ヒット作には恵まれていない感じで、本作も読みやすかったですし、こういう作家さんこそ本ブログでフィーチャーしていきたいですね。

救世の背信者 (講談社ラノベ文庫)

⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ

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■ジャンル
フェイクといえば「ニセコイ」。ラノベでは「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」「しゅらばら！」があげられる。また、契約で勝手に恋人というものは、最近では「恋愛暴君」かな。こちらはラノベというよりも一般小説に多いように思える。
　今回は、この２つの要素が組み合わされた状況がメインテーマとなっており、ラノベではありそうでなかったジャンルとなっている。設定としては、料理と双子というところが新しいか。料理については結構本格的に描写されており、そちらも見逃せない。

■ストーリー
憧れの人と、気安くて距離が近い人、この２人の間で揺れ動く主人公の男心が、ストーリーの本線になると思われる。どれと似ているとも言えないが、憧れの姉・距離の近い妹（＋無茶苦茶をする妖精）を考えれば「おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ！」の初期に似ている印象がある。
　主人公とヒロイン妹は協力することで仲を深めていき、主人公がヒロイン姉に突撃して撃沈するのか、はたまたヒロイン妹が身を引くために距離を置くようにするのか。どうなるかはわからないが、すれ違ったり、優柔不断だったりする登場人物に、ハラハラドキドキ感情移入できるお話になっていきそうだ。

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ！ (富士見ファンタジア文庫)

To LOVEる―とらぶる― カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

■気になった点
カワイイ２人の間で揺れ動く主人公な形になると思うので、どうやって主人公のヘイトを下げるか、ヘイト管理が難しそうな作品。主人公が読者から反感を持たれると、たいてい失敗することが多いので、今までの作品では色々得風がされてきた。例えば、上条当麻が不幸体質であったり。なるべく「WHITE ALBUM2」のような展開にはなってほしくないかなというところ。

■総評
気になる話かと言えば、かなり気になるハナシですね。双子で顔がそっくりというところや、両方とも幼馴染で心理的に距離も近いところ、主人公にとっては悩ましいだけに、女の子主導でお話が展開していくでしょう。ただ、決定をするのは常に主人公という立場な訳で。そう考えると初期の「灼眼のシャナ」とかもそうだったし、ある種の古典的なストーリーに料理と双子を加えたものなのかもしれません。負担の多い社会人には中々オススメできませんが、10代の少年たちには読みやすくて面白い小説になっていると思います。オススメです！

・10代の人
・一般の恋愛小説も好きな人
・ガッツリ食いついてストーリーを楽しみたい人

上記の人にはオススメだと思います。