月間売れたラノベ新シリーズ（３）★魔術破りのリベンジ・マギア／VRMMO学園で楽しい魔改造のススメ／放課後は、異世界喫茶でコーヒーを★２０１７年６月(5/29〜6/25)

　７月に入って集中豪雨のように雨が続いたり、そうかと思うと30℃以上の真夏日になったり、不安定な天気が続いております。特に、九州、山陰の方々は大変な思いをされているかと思います。そんな中で大変申し訳ないですが、
　恒例の新シリーズの復習（６月）をしてみたいと思います。先月は下記３シリーズが重版出来しました。歴代の６月新シリーズを振り返りながら、少しお話ししてみたいと思います。

VRMMO学園で楽しい魔改造のススメ～最弱ジョブで最強ダメージ出してみた～ (HJ文庫)

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを

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あらすじ、詳しくは公式で
WEB発小説特集 | 富士見書房

異世界喫茶には、今日も風変わりな“常連"がやってくる

　魔法の息吹がかかったアイテムや食物が産出される『迷宮』。これを中心に栄える迷宮都市の外れに佇む一軒の喫茶店では、この異世界で唯一コーヒーが飲める。現代からやってきた高校生店主ユウが切り盛りするこの店には、コーヒーの芳しい香りにつられて、今日も喫茶店グルメを求めるエルフやドワーフ、冒険者たち、そして街の有力者までもが"常連"として足を運ぶ。
　近所にある魔術学院に通う少女リナリアもそのひとり。まだ、コーヒーは甘くしないと飲めないけど、ユウがいるこの店の雰囲気がお気に入り。でも、ライバルの女の子たちは他にもいて？
　恋のスパイスが効いたおいしい物語を異世界喫茶からお届け。

■はじめに
この作品は、第１回カクヨムWeb小説コンテスト＜特別賞＞受賞作となる。
ラノベスキーとしては、なかなか人気が出ないのでは、と思っていたのですが、いやー申し訳なかったです。ちなみに総合評価：71点、売れそう度：Dをつけているので、著者さん絵師さん、編集さん、本当に申し訳ないです。大外れでしたm(_ _)m
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■簡単なクリエーターまとめ
著者の風見鶏さんも、イラストのu介さんも、ラノベはデビューのクリエイターさんのようでした。いきなりの好成績おそらく重版出来。本当にすごいですし、おめでとうございます！

■本作の特徴
ジャンルに特徴がある作品でした。料理（本作ではコーヒー）＋憩いの場（喫茶店）でリラックス。そこで繰り広げられるゆるふわラブコメを描いていくスタイルの小説。なんとなく「ご注文はうさぎですか？」ラビットハウスの舞台設定に近い感じがしました。

VRMMO学園で楽しい魔改造のススメ
～最弱ジョブで最強ダメージ出してみた～

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ＶＲＭＭＯ学園で楽しい魔改造のススメ | HJ文庫公式Webサイト

最弱を最強へと魔改造するVRMMOファンタジー！

ゲーム大好き少年・高代蓮の趣味は、世間的に評価の低い不遇職や残念スキルを魔改造し、輝かせることである!! そんな蓮は、中学からのネトゲ友達であるアキラの誘いを受け、VRMMOゲームを授業に取り入れた特別な高校へと入学！息をするようにゲーム内で最弱の呼び声高い職業【紋章術師】を選んだ蓮は、その職業を最強火力へと魔改造し始めるが――「え、アキラって女の子だったのかよ!?」「そうだよ？」実は美少女だったネトゲ友達と一緒に最強ゲームライフ、開始！

■はじめに
この作品も、試し読みシリーズで紹介しました。というか最近はほぼ、試し読み記事書いてましたね。こちら、オリジナリティの部分で少し弱さを感じて、総合評価：７４点、続きが気になる度：B、売れそう度：Dをつけてしまいました。今回も大外れ！　例によって関係者の方々にお詫びいたしますmm

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■簡単なクリエーターまとめ
著者のハヤケンさんはHJ文庫から数点のシリーズを書いておられる方。また、「なろう」で本作を出してからの出版のようです。イラストの晃田ヒカさんは、同人で有名な方ですが、モンスター文庫の「神眼の勇者」を出されています。

■本作の特徴
ゲーム部分での設定、作り込みの部分が非常に考えられた小説だったと記憶しております。また、本作は学校での成績にゲーム使われるというシビアな面（ようこそ実力至上主義の教室へ、自称Ｆランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ？）を取り入れつつ、不遇スキルで遊ぶことのできる緩い環境（Only Sense Online）という、VRMMOモノの両方の良さを取り入れた作品でした。

最後に私としては本命のコチラ

魔術破りのリベンジ・マギア
1.極東術士の学園攻略

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あらすじ詳細は公式で
【新シリーズ】魔術破りのリベンジ・マギア | HJ文庫公式Webサイト
 Revenge-magia.net

日本の魔術は世界一！東洋VS西洋の本格魔術バトル

二十世紀初頭――めざましい科学技術の発展の裏で、人類は確固たる魔術文明を築き上げていた。世界のパワーバランスすら左右する“魔術師”を育成する機関「セイレム魔女学園」。そこで起きた怪事件解決のため、凄腕術士・土御門晴栄（つちみかどはるな）が米国の地に立つ！「あらゆる状況を想定し戦術を千変万化させていく――これが、陰陽師の戦い方だ」北欧神話・死霊術・吸血鬼、様々な魔術体系を東洋魔術でブッ飛ばせ！ハイエンド魔術バトルファンタジー、ここに開幕!!

■はじめに
　さて本作は、女性主人公（試し読み部分まで）であることと、魔術をガチで扱ったオカルトバトル作品であること等を長所でありながら弱点にもなる諸刃の剣と見て、総合評価：８１点、続きが気になる度：Aー、売れそう度：D＋をつけた作品です。

　このDの後の「＋」を見てもらえればわかると思うのですが、正直、非常に、予想の難しい作品でした。東洋西洋両方の圧倒的な魔術知識が何よりもウリで、間違いなく評価は高いのですが、果たして売れるのか、かなり悩んでのD＋だったことを覚えています。すみませんどうでもいいことを………。まあ今月の予想は１勝２敗とさせてください。

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■簡単なクリエーターまとめ
本作品は、第10回HJ文庫大賞受賞作。著者の子子子子子子子さん（たしか"ねこじしこねこ"さん）は本作でデビュー。イラストの伊吹のつさんも、ラノベだとほぼ新人さん。のコンビでした。

■本作の特徴
一言で言えば、挑戦的なタイトルでした。なにがと言われれば、女装主人公、圧倒的な魔術知識によるバトル。この２点です。ツンデレ主人公がヒロインたちのためにがんばって物語を解決していくところも爽快感と気持ちよさにつながっていました。この作品のお陰でラノベの幅が少し広がったように思います。後に振り返るべき名作の予感を感じさせる１巻でした。

■過去の６月の有名作品
　かなりバラけている印象です。「絶対ナル孤独者」「天使の3P！」「僕と彼女のゲーム戦争」「これはゾンビですか？」「ねじ巻き精霊戦記　天鏡のアルデラミン」ここまで並べてみて、アクの強い作品が多いなという印象。何かしら突き抜けた印象です。「デーゲンメイデン」「僕の妹は漢字が読める」「なれる！SE」などを並べてみてもやっぱり特色がすごいですね。

　まあ、どんな季節、どんな時期でも一本突き抜けたものがある作品は売れやすい傾向にあるかと思いますが、６月は特にすごい印象でした。というか、電撃とファンタジアの牙城じゃないですか………。ある意味異世界喫茶はそういう流れだったのか……。というか今年の３作品はどれもこれも結構突き抜けていましたね。

■近年の傾向
2016年のヒット作は残念ながら６月の上位には入ってきていませんが、「黒の召喚士」や「再臨勇者の復讐譚」のなろう異世界成り上がり系と、「２９とＪＫ」「最強喰いのダークヒーロー」のGAラブコメ？系がヒットを飛ばしています。2016年6月のヒットジャンルとしては、成り上がり系といったところでしょうか。

　ただ、29歳の主人公、勇者やめて魔王とくっつく、等2016年も突き抜けたタイトルが売れた傾向だなと。6月はジャンルというより、アクの強い作品が売れるという感じかなと思いました。