クラウは食べることにした☆新作ライトノベル紹介☆試し読み(83)
毎回新シリーズライトノベルの試し読みから新作を紹介する本コーナー
今回は、このラノベ「クラウは食べることにした」をインフォします。
クラウは食べることにした
8月1日発売!
Amazon.co.jpで詳細を見る
メーカー希望小売価格:税込670円
詳しくは公式で
クラウは食べることにした 藤井 論理:ライトノベル | KADOKAWA
第22回スニーカー大賞〈特別賞〉受賞作!お風呂?侵略?それとも…ご飯?
庭先の巨大な竹から現れたのは、文化侵略兵器を名乗る銀髪の美少女・クラウ。日本の文化力を吸いつくし、高天原に送るのが目的らしいが――
「も、もうダメぇ……変身しちゃうよぅ……」
料理を食べては悶え、蓄えた文化力で変身するし、あげく香辛料でハイになり。
そんな食い意地MAXな侵略者は俺、匠香介の家に居着き、料理と文化と地球の明日を巡るドタバタな同居生活が始まるのだった!
■著者
藤井論理さんは、第22回スニーカー大賞〈特別賞〉受賞作の本作でデビューの新人作家さんです。ド頭から凄まじい小説ですね。
■イラストレーター
イラストのたかやKiさんは、「踊る星降るレネシクル」「ありふれた職業で世界最強」の2作品で知られるラノベ絵師さん。コミケでも壁サークルですし、10代中盤あたりの女の子の、無垢でエロい萌絵が特徴的な方です。
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⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ
そして私の評価はこちら
読みづらいので簡素にしていく方向です。
※試し読みとはいえネタバレを嫌う人もいると思いますから・・・・・・工夫します。
■ジャンル
現代を舞台にした料理モノ+ラブコメ+名状しがたい……ゲフンゲフン。異世界が多すぎて、現代料理モノは逆に珍しく見えるが、本当は普通なはず。料理モノは、ラノベでは難しいと言われている。
料理の味は伝わらず、匂いは伝わらず、それでもヴィジュアルが伝われば漫画にはなる(「孤独のグルメ」「ピアシェ ~私のイタリアン~」など多数)が、文章だけではそれもない。
それこそ北大路魯山人の「料理王国」や「魯山人味道」ほどなら、美味しさも伝わってきようものだが、これだって読む人を選ぶ。
異世界ではなく現代が舞台の料理モノ。本作はこの部分では奇を衒っていない。いつも使ってる食材で普通に料理している。これは料理好きには嬉しい。なんだかわからない異世界の食材を、なんだかわからない料理にして美味しいと言われても、正直実感が湧かないことも多かった。
その点、イメージしやすい普段の料理が出てくる本作は、純粋に美味しそうだし、実感も湧くものとなっている。それと調理法とか、参考になるものも多い。
もう1つ本作の特徴として、個性が溢れすぎるキャラ(主にメインヒロイン)が、イカれた掛け合いを行い、話があらぬ方向にとっちらかっていく。そのぶっ飛んだ設定と、変質的にズレていく物語は、どうにも表現しがたい個性となっている。
前回、変態的ラブコメとして、と「暗黒騎士を脱がさないで」「ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?」「陰からマモル!」「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」や「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」をあげたと思う。
本作は、タイトルはまともだが、文章、ストーリー、登場人物、全てにおいて頭おかしいので、「暗黒騎士を脱がさないで」や「陰からマモル!」系統だろうと思われる。
■ストーリー
世界を侵略するためにやってきた宇宙人ヒロインが、主人公の作る料理に感動し、卒倒し、花火を打ち上げてしまうお話。美味しすぎて失神した前後の記憶は怪しいみたいだが、主人公が料理を作る限りは世界の侵略が止まるらしく、料理を食べてとろけた顔は、「おれの料理が異世界を救う!」などと同種のものとなっている。ちょうど"異"の字を抜くと本作のストーリーとシンクロするのではないか。
■気になった点
上で長くなってしまったので一言。まともな料理モノは難しいと思って、キャラや文章、掛け合いで奇を衒った小説と言えると思うが、その分、読者層を狭めてしまったのも事実。いつか、異世界でもなく、奇を衒うこともなくラノベでフードバトルを描く「料理の鉄人」的作品が出てこないかなと思う今日この頃。
■総評
設定への情報量が過多。売れ筋を完全に無視した作品。上にあげた以外にも純和風とか、トラウマ脱却モノとか、なんか色々なジャンル付けができそうな小説。ただ、絵がないと難しいと言われる現代料理モノを採用した点は、純粋に評価したいです。私みたいな変人はこの一点で買ってしまおうと思うくらいですから。
上記の人にはオススメだと思います。
最後にもう一度、そんな本作みなさまよろしくお願いします!
クラウは食べることにした
8月1日発売!
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メーカー希望小売価格:税込670円
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