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オタク歴10年以上のryuhyoiが、注目の作品を紹介しつつ、備忘も兼ねたブログです。

【作家さんインタビュー】1巻緊急重版2巻も売上好調の『魔術破りのリベンジ・マギア』の子子子子先生に聞きました!(前編)

 今回、当ブログ初の試みとして作家さんインタビューをさせていただきました。
記念すべき第1回は、1、2巻が好評発売中の『魔術破りのリベンジ・マギア』の著者子子子子 子子子先生のインタビューを掲載したいと思います。

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■はじめに
   子子子子先生、まずは自己紹介をお願い致します。

 子子子子 子子子(ねこじし こねこ)と申します。
 第10回HJ文庫大賞で『陰険女装陰陽師と奴隷少女の事件簿』で大賞を受賞、受賞作を改稿し、2017年6月1日に『魔術破りのリベンジ・マギア』でデビュー致しました。今日はよろしくお願い致します。

   かなり特徴的なペンネームですよね。

 幽霊名字(記録にのみ記載のある名字)の「子子子子(ねこじし)」と「子子子(こねこ)」を組み合わせてペンネームを作りました。新人賞の確認をする際、見つけやすかったですね。
 昔、日日日先生ささみさん@がんばらない』を読んだ時に、著者買いをした記憶があって、たとえギャグだと思われたとしても、インパクトのあるペンネームにしようと思いました。
 ペンネームよりもむしろ、受賞作のタイトルの方が恥ずかしかったです。

   そんな子子子子先生ですが、休日はどのように過ごされている(趣味など)のでしょうか?

 予定がなければほぼ家で執筆ですね。
 ラーメンが好きなので、仕事などで遠征すると、地元にないラーメン屋に行ってみたりもします。だからラーメン屋巡りが趣味といえるかもしれません。

 あとは、魔術・オカルト系の資料集めですね。学生の頃から漠然と好きだったのですが、執筆をはじめてから本格的に資料を収集するようになりました。呪文とかかっこいいものを作りたいですし、魔術体系とかバックボーンも知りたいので、これも、趣味といえば趣味といえると思います。

 

■作品について
 まずはPVを御覧ください!

HJ文庫公式ページはコチラ ⇒ Revenge-magia.net

   あらためまして『魔術破りのリベンジ・マギア』のご紹介をお願いします。

 物語の舞台は、架空の20世紀初頭、史実とは異なり、"魔術"という事象法則が技術的に発展した世界となっています。
 そして、日本をモデルにした大和皇国の陰陽師土御門晴栄」が、合衆国のセイレム魔女学園で起きた連続失踪事件の解決を依頼され、留学という形で学院に潜入し、犯人を探し出していくストーリーです。

   見どころはどんなところですか?

 見どころは、魔術バトルですね。作品には、古今東西の様々な"魔術"が登場し、それをバックボーンにした”敵”との一筋縄では行かないバトルが繰り広げられます。日本古来の魔術体系を元に戦う"陰陽師"土御門晴栄」が、天性の才能と努力、知識等を活かして強敵を打ち破っていく姿を是非見てほしいです。

   主人公の「晴栄」ですが、バトルのたびに相手の"魔術"を吸収して、強くなっていく印象ですね。

 基本的にこの世界の魔術師たちは、信奉する魔術体系を極めることを生き甲斐としています。よく言えば特化した強さを持ち、悪く言えば視野が狭いということになりますね。
 しかし晴栄は、1つの魔術体系に拘泥することにバカバカかしさ感じているので、異なる魔術体系の知識でも技術でも、何でも使って戦っていくというスタイルになります。
 相手が知らない知識を元に戦い、格上の強敵を倒していく初見殺しのようなところがあります。

   格上をなぎ倒していく主人公って爽快ですよね。本作では人気の"陰陽師"が主人公ですね。

 はい。私も"陰陽師"が大好きです。"陰陽師"を形作る"陰陽道"は、仏教道教、暦道、呪術、占術、風水、呪禁道、密教等、海外(大陸)由来の魔術体系をドンドン取り入れて発展していった歴史があります。外から取り入れた知識を加工・発展させるのは、日本人の得意とするところですよね。
 どんな魔術体系でも取り入れてしまう、純日本的な"陰陽師"が、他の魔術体系に負けるわけがないという感覚で、ジャイアントキリング的な魔術バトルを楽しんでいただければと思います。

   あとがきにも記載がありましたが、王道なストーリー展開になっていますね

 『魔術破りのリベンジ・マギア』は、一昔前にあった学園異能系の"王道"を目指して書きました。独自設定が多くてちょっと難しい分、わかりやすいストーリーになっていますので、安心して読んでほしいですね。

   ところで、本作の主人公は、非常に珍しい属性となっていますよね。私は騙されてしまいました。

 実は最近まで、この手の主人公は苦手だったのですよ。ただ『月に寄りそう乙女の作法』というゲームをプレイして好きになって、それで、その手の作品に触れていない人には、入門になるくらいの感じで書いてみました。

   なるほど、書きたいジャンルだったのですね。

 はい、ただストーリー的にも必然だったかなと思います。先程も述べましたが、本作は学園異能の王道で、ハーレムモノとなっています。一般的に、ラノベの学園王道モノでは、特殊な能力を持った主人公が学園に連れてこられますが、なんにも考えないテンプレではだめだと思ったのです。
 なので主人公には、唯々諾々と流されるタイプではなく、自分の意志で周囲を巻き込んでいくタイプにしようと思っていました。本作では、復讐が主人公の行動原理となっています。
 そこで、主人公に負荷のかかる特殊な属性をつけることで、主人公の復讐への決意の重さを表現することができたと思います。ある意味、物語の機構と、書きたいものが一致した形ですね。

   女性読者にも受けやすい本になっていると思うのですが。

 そうですね。特に意識したわけではないですが、元々女性ファンの多い男性向けの小説が好きだったりします。今後、かっこいいおじさまも出てきますので、女性ファンの皆さんは期待していてください。

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■影響を受けた作品
   魔術破りのリベンジ・マギア』を作る上で、影響を受けた作品はありますか?

 明らかに影響を受けたといえるのは、『東京レイヴンズ』『とある魔術の禁書目録』『レンタルマギカ』です。ラノベではないですが『Fate』シリーズもですね。最近だと『Fate/Grand Order』はよく参考にさせていただいています。

   やはり"魔術""オカルト"をうまく取り込んでいる作品が目立ちますね。

 はい、特に『Fate』シリーズは、古今東西英雄オールスターが登場していて、シナリオだけでも面白いですよね。『魔術破りのリベンジ・マギア』でも、オカルト好きの方がニヤッとできるような呪文や、設定を散りばめています。

   そう言えば、『灼眼のシャナ』とかも古今東西英雄オールスターですよね。

 あ、実は、最初に読んだラノベが『灼眼のシャナ』なんです。『灼眼のシャナ』は、多岐にわたる魔術・神話体系が描かれているのに、当時の中学生が読んでも面白くできているんですよね。そういうところはやっぱり凄いなと思います。

   魔術破りのリベンジ・マギア』も難しい設定や魔術、呪文がでてくるのに、読みやすい小説ですよね。

 ありがとうございます。そこは意識して書きました。魔術とかオカルト知識がない人でも、楽しめるように、難しい呪文詠唱の部分は読み飛ばしても、ストーリーが理解できるように心がけています。

   こんな作品が好きな方には本作がオススメ、という作品はありますか。

 そうですね。先程も述べましたが、『Fate/Grand Order』のシナリオが好きという方には、是非オススメしたいですね。それと、陰陽師が活躍する『東京レイヴンズ』だったり、実在する魔術体系が登場する『レンタルマギカ』や『セブンスターズの印刻使い』が好きな方にもオススメだと思います。

セブンスターズの印刻使い1 (HJ文庫) 東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN (富士見ファンタジア文庫)

 

■作品のウリについて
   読んでほしいところや、自慢したいところがあればお願いします。

 魔術バトル部分は、本当に妥協せず書いたので、自信を持ってオススメできます。特に、詠唱にはかなりこだわっているので、呪文詠唱の部分だけでも読んでほしいです。それで気に入ったら、ストーリーの部分も読んでみて下さい。
 私自身、詠唱が大好きな中二病患者なので、同好の士には楽しんでいただけると思います。

   もちろん好きな方にはオススメですが、それ以外の方は楽しめますか。

 はい。知識がなくても楽しめるように工夫しました。先程も言いましたが、難しい呪文が出てくる場所は読み飛ばしてもいただいてもストーリーを楽しめるようにしてあります。
 また、テンポ良く読めるようにルビを振っておりますので、難しく考えずに、ふーんと思って、さらっと流してくれても雰囲気はつかめるかなと思います。
 やっぱり、蘊蓄が過ぎると読むのが退屈になってしまいますし、設定資料を読んでいる感じにはしたくなかったので、省ければ省いて、語るところは語って、という方針で執筆致しました。

   なるほど、わからない方にも敷居が低い作品ということですね。

 はい、苦手という方でも、王道なストーリーを楽しんでいただけたらと思います。主人公の属性が少し特殊なので、ちょっと変わったボーイミーツガールが読みたいって方にも、オススメかもしれませんね。最初はノリで読んでもらって、後で元ネタを調べてもらっても面白いかもしれません。

   変わったところでは、店舗特典にも力を入れているそうですね。

 店舗特典に関しては、自分もコンプリートしたくて複数買いするレベルだったので、一生懸命書いてます。買ってよかったと思ってもらえるように短くても完成度の高い店舗特典となるようがんばっていますので、注目していただければと思います。

 

■最後に
   まだ読んでいない人へのメッセージをお願いします。

 本作は、魔術とか呪文詠唱とか"オカルト"設定が好きな人には自信を持ってオススメできる作品になっています。日本固有の魔術(陰陽道)で、権威ある世界の魔術師たちを倒していくジャイアントキリング的な要素もあるので、そういうノリが好きな方にもオススメです。
 そして新人賞の応募作を作っている方向けにも、私が今までに培ってきたノウハウを余すこと無く詰め込んでいるので、是非参考にしていただければと思います。
 今後とも『魔術破りのリベンジ・マギア』をよろしくお願いいたします。

 



 前編では、まだ『魔術破りのリベンジ・マギア』を手に取っていない方向けに、作品の魅力をお伝えいたしました。後編では、制作秘話や、子子子子先生について更に切り込んでいきたいと思います。
 作家志望の方向けのメッセージや、今後の展開についてもインタビューしましたので、後編も是非よろしくお願いします。

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