将棋ラノベと言えば?☆テーマ別ラノベ紹介(1)
前回の更新から少し間が空きました。みなさんこんにちは。ryuuhyoiです。
ファンタジアの感謝祭もあったようですし、選挙もありましたし、みなさんも少し忙しい週末を送ったのではないでしょうか。
私は、竜王戦の大盤解説会に行ってきました。 そう"りゅうおう"戦です。
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上の写真、"大盤解説会"の様子です。 遠くからでも見える大きな将棋盤を使って、指し手の意味や、 どちらが勝ちそうかとか、を解説する会で、500人近い将棋ファンが集っていました。
実は私、将棋が趣味で、ネットで3000局以上対局しています。 下手の横づきで、実力は初段行くか行かないかですが、 今回始めて、将棋イベントに行きました。
現龍王渡辺明さんの直筆色紙です。 なんと初参加のイベントで、龍王の色紙がもらえたのです。
というわけで、今回は、将棋をテーマにしたラノベを紹介したいと思います。
(私の知る限り3つですが、他にもあれば教えてください)
まずは、りゅうおうのおしごと!
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■簡単な感想
将棋ファンはもちろん、将棋を知らない人にも、将棋の世界・棋士の世界がわかるように書かれた名作。一見、シヴィアで、堅く見える棋界の雰囲気を柔らかく包み込むロリとコメディで中和していて、絶対に読んでみて欲しい作品。
詳しくは公式で⇒GA文庫|「りゅうおうのおしごと!」特設ページ
16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に押しかけてきたのは、弟子を名乗る小学三年生の少女・雛鶴あい(きゅうさい)だった!?
「え? ……弟子? え?」
「……おぼえてません?」
憶えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていた熱いモノを取り戻していく――。
ガチ将棋押しかけ内弟子コメディ、今世紀最強の熱さでこれより対局開始!!
■作品への評価
「のうりん」でアニメ化も果たした白鳥士郎さんの作品。本作もアニメ化が予定されている。また、将棋界でも非常に評価が高く、第29回将棋ペンクラブ大賞文芸部門受賞作品でもあります。同賞は、観戦記や、戦法戦術書だったり、ビジネス書、ノンフィクション作品(基本的には硬派で難しい本)が選ばれる賞。
「りゅうおうのおしごと!」のようなエンタメノベルが受賞するのは異例で、空前絶後の出来事だと思います。
なお、漫画が選ばれることはないので、今話題の「3月のライオン」も「将棋めし」も受賞していない、とんでもないことを成し遂げた作品でもあるわけです。
■本作の内容とおすすめする点
「りゅうおうのおしごと!」は、一言で言えば、将棋をテーマにする上での困難を全て、読み応えのあるストーリーに昇華させた名作と言えるでしょう。
ラノベにおいて将棋をテーマにすることの難しさは下記になります。
①ゲームとして理解しづらい、難しい
②指しているプロ棋士の生態が知られていない
③知れば知るほど実感がわかない棋界
やっぱり、将棋って知らない人にとっては、すごく難しいゲームです。ルールを知っている人でも、プロの手の意味を理解できず、勝敗のポイントがわからないことがあります。野球とかなら、素人だって点を取ったとか取られたとか、わかりますよね。
また、将棋盤の前に何時間も座り、ひたすら考えて一手指し、終わったと思ったら、どちらが勝ったのか、もわからないような表情ですぐに感想戦(≒反省会)を行う。ルールも分かりづらければ、そもそも指してる人のこともわからない。そういう競技だと思います。
そして、将棋界自体も、一般人には理解しづらい面が多々あります。制度的な意味では、どんなに才能があっても、プロになれるのは1年で4人。プロを目指す奨励会員も、一定の年齢で強制的にプロへの道が途絶える。プロになってからも勝たなければ賞金が稼げない。若干閉鎖的なので、収入や待遇面などの情報も少なく、一種異様とも言える世界が広がっています。
そんな将棋のゲーム、人、世界をまともに描くと、大抵は、勝負のきつさ厳しさを描く作品、バトル部分に力を入れる作品が多くなります。前者は「3月のライオン」、後者は「ハチワンダイバー」とかですね。
しかし、「りゅうおうのおしごと!」は、将棋の難しい部分を素人でもわかるように丁寧に描きつつ、将棋の難しさ=魅力として引き出すことに成功しています。また、よく知れば知るほど、ギスギスした厳しい人間ドラマになりがちですが、そこも、がんばる小さな女の子と、励まされて偉業を成し遂げていく高校生の主人公という構図で、ほっこりしたラブコメに仕上げています。
それに加えて、将棋ファンなら誰でも知っているようなエピソードが、ストーリーの端々に散りばめられ(竜王戦3連敗4連勝とか、91銀とか、最後の審判とか)ています。実話が入ることで、ヒリヒリとした対局の雰囲気や、リアリティが増し、将棋を知っている人にも楽しめる作品となっています。
まあ、だんだん長くなってきて、自分でも何書いてるかわからなくなってきたので、この辺でやめておきます。
とにかく凄い作品です。
ひふみんや、藤井四段で興味を持った人は、ぜひぜひ読んでみてください。
■簡単な感想
電撃で新人賞受賞作。高橋道雄九段等、プロ棋士からも評価された作品。アマチュアの学生将棋に真面目にフォーキャスした作品で、甘酸っぱい青春モノとしても読めるラノベとなっています。
先祖から伝わる将棋の駒が女の子に擬人化して、主人公を強くしてくれるという設定も面白く、もっと評価されてもいい作品だったと思います。ただ、オタク層によりすぎていた分、広がらなかったのかなという感じです。
詳しくは公式で⇒王手桂香取り!|電撃文庫公式サイト
第20回電撃小説大賞<銀賞>受賞作品
華麗なる一手を放て!
駒娘たちと送るさわやか将棋青春ストーリー!
■簡単な感想
私は読んでないのですが、タイトルとは裏腹に、将棋をまともに描いた作品となっているようです。ニコニコで執筆し、電子書籍での販売と、ちょっと変わった成り立ちなのが、将棋ラノベの難しさを物語っているような気もします。
というわけで、今回は、将棋というテーマに沿ったラノベを3作品紹介致しました。
ラノベ以外にも様々なエンターテインメント作品、映画などが出てきています。
興味を持たれた方は、是非将棋に触れてみてください。
面白いですよ!
上記の人にはオススメだと思います。
最後にもう一度、そんな本作みなさまよろしくお願いします!
りゅうおうのおしごと!
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