スクールジャック=ガンスモーク☆新作ライトノベル紹介☆試し読み（５３）

６月２０日発売！

メーカー希望小売価格：611円＋税

まずは、タイトルとイラストから
そして、あらすじ、詳しくは公式で
スクールジャック＝ガンスモーク | 小学館

機巧外骨格、起動。テロリストVS元少年兵
先の戦争から導入が試みられた、二足歩行兵器――機巧外骨格。
戦争を通してその性能を存分に示した機巧外骨格は、終戦後も重要な軍事力として運用されるようになった。それをうけ、戦勝国である葦原皇国においては機巧外骨格のパイロット育成学校が創立される。生徒達は、そこで優秀なパイロットとなるために、日々研鑽を積んでいた。
しかし、そのような希望に満ちる現在において、戦時中の機巧外骨格運用の舞台裏で生まれた、決して消し去ることのできない遺恨が残っていたのだった……。その確執の火薬庫は、いま学園を襲うテロとなって爆発する。
整備士として学園を訪れていた、黒宮凛児。
学内でトップクラスの操縦技術を持つ、花枝連理。
運命的な因果に絡め取られた二人の手に、生徒たちの命運が託される。
そして、浮かび上がるもう一つの因縁。
かつて特殊部隊の少年兵として機巧外骨格を駆っていた凛児の前に、その脅威が立ちはだかる。
戦争という悲劇が生んだ、機巧外骨格の名誉と汚名。
その真相を受け容れたとき、凛児は再び守るべきものを、その手に掴む！
第11回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。

イラストの巖本英利さんも、商業ではキャリア５年目くらいの中堅絵師さん。武器や硬派ファンタジー等、雰囲気のあるイラストや、青年漫画のようなタッチに定評があり、長く続いたシリーズも描いてます。

⇒このライトノベルのスタッツはこんな感じ

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■ジャンル
メカバトルモノ、SFモノというところで、やや時代に逆行しているかのように見える。近年では「ヘヴィーオブジェクト」や、電撃大賞作品の「86―エイティシックス―」、「ガーリー・エアフォース」などが似たジャンルのヒット作といえるだろうか。一時期一世を風靡した「ＩＳ＜インフィニット・ストラトス＞」等のメカ+萌えラブコメとは一線を隠した硬派な形になるだろうが、「86―エイティシックス―」ほどドロドロはしていないだろう。SFバトルメインで、主人公とヒロインのコンビ関係には色々な進展性があるが、学園モノとはいえないくらいのバランスになるのではないか。

■ストーリー
ラノベで純粋なロボバトルを描くのは難しい。ロボットの形態やバトル描写の部分で情報量が少ない文字情報だけでは表現が難しいからだ。なので、いわゆるロボかっこいい漫画のようなバトルモノにはならず、ラノベお得意の、登場人物たちの内面の成長を描くストーリーになるだろう。
整備士としてヒロインを支える主人公になるのか、ヒロインとともに戦う主人公になるのかでだいぶお話が変わってくる。試し読みでは物語が始動する前までしか行かなかったため、なかなか予想しづらい。

■気になった点
やっぱりメカ(ロボ)は難しいのかなというところと、「不良少女+清純」「うだつの上がらない少年+凄腕」という登場人物なので、あっさりと消化できるお話でないところが気になる。設定や要素的には、ハンデ状態からラスボスを倒す爽快感が得られそうではあるが、そこまでたどり着くかどうか。パッケージは青年漫画のようなイメージを連想させるので購買層も高めに設定されているだろうし、その層に刺さればと期待したい。

■総評
挑戦的なタイトル。といえる作品。ジャンル的にも古くて新しい感じ。最近巨大兵器系の硬派なストーリーが増えてきてはいるので、トレンドとなりつつあるかもしれません。この手の話は読みづらいという弊害があるのですが、本作は比較的読みやすく、読むスピードも遅くならないようにできていて、著者の高い技能が感じられます。その点では手に取りやすいでしょう。あとはカバーが漫画、及び年齢層高めのラノベ読者に向けられているので、その辺の取り込み次第かなと思います。登場人物は癖があって、オリジナリティがあり、魅力的でした。
・テンプレ展開に飽きた人
・メカモノが好きな人
・主人公とヒロインが並び立って戦うお話が好きな人
・癖のあるキャラクターが好きな人
上記の人にはオススメだと思います。