ライトノベルインフォ

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月間売れたラノベ新シリーズ(5)★なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?★2017年8月(7/31〜8/27)

 9月に入りました。カラッとした秋晴れや、秋の長雨が続いて、気温も下がり過ごしやすい季節ですね。ただ台風18号がくるようで、どうぞご自愛ください。

 さて、今回もデータが揃いましたので新シリーズの復習(8月)致します。先月は下記シリーズが重版出来しました。歴代の8月新シリーズを振り返りながら、少しお話ししてみたいと思います。
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 運命の剣 (MF文庫J)

 

あらすじ、詳しくは公式でなぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? | MF文庫J

世界の終わりの世界録』の細音啓が贈る、王道ファンタジーの超大作!

「なんで誰も、本当の世界を覚えていないんだ……!」地上の覇権を争う五種族の大戦が、英雄シド率いる人類の勝利に終わった時代。だがその世界は、少年カイの目の前で突如として「上書き」された。書き換えられた世界でカイが見たのは、英雄シドの不在により人間が五種族大戦に敗れた光景――ここでは竜や悪魔が地上を支配し、さらにカイは全ての人間から忘れられた存在になっていた。だが神秘の少女リンネと出会い、カイはこの書き換えられた運命をうち破ることを決意。英雄なき世界で、英雄(シド)の剣と武技を継承し、君臨する強大な敵種族に戦いを挑む。世界から忘れられた少年が「真の世界を取り戻す」ファンタジー超大作、開幕!

■はじめに
 先の展開がワクワクする面白そうな作品、というのが第一印象。また、ジャンルとして言えば、『著者:細音啓』が全てを物語っています。キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」や世界の終わりの世界録にもどことなく設定が似ています。

 重厚な世界観でのバトルファンジー世界を救うたびに出る少年という心躍る展開を堪能できる作品です。

■簡単なクリエーターまとめ
 著者の細音啓さんは、「氷結鏡界のエデン」「世界の終わりの世界録」という2つのヒット作で知られた作家さん。

 最近では、「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」がヒットしていおり、弊ブログの週間アクセスランキング「ハロー!ラノベインフォ」でも常連となっている作家さん。ファンタジー作品には非常に定評があり、作り込みや設定のしっかりした物語が多いです。
 イラストのnecoさんは、ラノベ絵師としてよりも同人で有名な方という印象。銃器やメカ等と、ファンタジー系のガジェットと両方描ける絵師さんですね。

 

■本作の特徴
 「自分が元いた世界を取り戻す」ことに帰結していくストーリーになります。その間、バトルパートでは迫真のアクションが、ストーリーパートでは、複雑に絡み合った人間関係と、登場人物たちの想いが絡み合って生みだされるドラマティックな物語が没入感を与える、非常にクォリティの高い作品と言えるでしょう。

復讐完遂者の人生二周目異世界譚 1 (GCノベルズ) 二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 1 ~裏切り王女~ (MFブックス)

 

 

■過去の8月の有名作品
 さて、ちょっとここで過去の8月作品を振り返ります。実は8月、ヒット作の数が少なく、恵まれない月といえるのです。ただ、そんな中でも名作はありますから、紹介していきます。大まかに分けて3つの流れがありました。

■1つ目
 現代を舞台にした学園ラブコメ。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を皮切りに「官能小説を書く女の子はキライですか?(実はコチラのほうが初週売上は多い)彼女がフラグをおられたら」「嫁にしろと迫る幼馴染みのために××してみた」「この中に1人、妹がいる!」「のうりん

 とりあえずあげられるだけ上げてみたが、多種多様な学園ラブコメが8月に売れたことがわかる。「俺妹」「官能小説を書く女の子はキライですか?」は、ある意味業界モノの嚆矢。「のうりん」はちょっと異質だけど、あれもラブコメ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫) この中に1人、妹がいる! (MF文庫J) のうりん (GA文庫)

■2つ目
 石鹸枠系を含むハーレムバトル系作品。時代が石鹸枠全盛期なこともあり「アブソリュート・デュオ」「そして不滅の神域封剣(」が登場。そして最近では、「いづれ神話の放課後戦争」が発売されたのも8月。

アブソリュート・デュオ (MF文庫J) そして不滅の神域封剣(レグナーレ) (MF文庫J) いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉 ―魔眼の王と屈服女神― (富士見ファンタジア文庫)

■3つ目
 戦記ファンタジー。ここへ来て意外なジャンル。アニメ放送予定の「グランクレスト戦記」「ブレイドライン アーシア剣聖記」「OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハト」の3作品が8月刊となっています。ロードス島戦記シリーズで知られる水野良さんと「境界線上のホライゾン」で知られる川上稔さん2人が偶然にも同じ月に新シリーズを発売されたため、戦記ファンタジーが並びました。

グランクレスト戦記 1 虹の魔女シルーカ (富士見ファンタジア文庫) ブレイドライン アーシア剣聖記 (角川スニーカー文庫) OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハトI (電撃文庫)

 

■近年の傾向
2015年に、「OBSTACLEシリーズ 激突のヘクセンナハト」「いづれ神話の放課後戦争」「アスガルド武皇戦記 
2016年に、「魔法使いと僕」がスマッシュヒット

 ここ最近の傾向で言うと、ラブコメではなく、バトル系、戦記系、あるいはFate的なヒロイック・ファンタジーがウケる傾向にあるといえそうです。今年のヒット作「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」にも同じ雰囲気を感じました。 

最後にもう一度、みなさまよろしくお願いします!
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