売上ベスト5新シリーズライトノベル(2010年度後編)☆コラム(8)
ご好評に付き各年度別、初週売上の紹介をする。
今回は2010年度TOP5!
前回記事や、ランキング記事についてはこちらにまとめました↓
第5位
著:さがら総、イラスト:カントク。既刊11巻。公称累計売上200万部以上の大ヒットアニメ化作品。第6回MF文庫新人賞の最優秀賞受賞作品。今でこそマルチに活躍し有名な、お二人の出世作。今の「テンプレハーレムラブコメ」につながる要素が多数組み込まれているが、ストーリーの本筋はミステリー。記憶だったり時間だったりと、主人公たちが失われた大切なものを取り戻していく話となっている。2ヶ月後に発売された「この中に1人、妹がいる!」「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」とともに、MFテンプレ妹系ハーレムラブコメ+アニメ化作品の元祖でもある。笑いながらも真面目でシリアスな物語を楽しみたい人にはオススメ!
それにしてもこの年のMFは強いな……。
第4位
多宇部貞人のデビュー作で、第17回電撃小説大賞大賞受賞作。イラストは木村樹崇。残念ながら本編3巻を含む4巻で恐らく打ち切り。初巻でこれだけ売れているのに、後が続かなかったというのは、2009年度と2010年度のジンクスか何かなのだろうか。作品としては、破廉恥でエロいセンスのあるコメディベースが売りだったのだが、徐々にシリアスな雰囲気になっていき、行き詰まった印象。3巻から4巻までに1年が経っているので、実質3巻で終わらせる所を4巻作って完結させたのかなと、そう考えると、3巻辺りでガクッと売上が落ちる何か(2巻の内容が原因)があったはず。いずれにせよ、残念!
第3位
著:和ヶ原聡司、イラスト:029。既刊18巻。公称累計売上270万部以上の大ヒットアニメ化作品。著者は本作で、第17回電撃小説大賞銀賞を受賞。大賞が売れず、こっちが売れたという形。登場人物たちが働きもの、あるいは、後の働く女の子(SHIROBAKO、NEW GAME!)につながるような1ジャンルを築いた作品。子供時代にラノベを読んでいた世代が、成長し仕事の大変さを実感し出していたことで、高校生以上に売れたのではないかと思われる。当時の子供や学生たちに一世を風靡した涼宮ハルヒの憂鬱の発売が2003年と考えれば、ラノベ市場の成熟を表した作品とも言える。追従した作品に勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。等がある。
■総評
の前に数字はこんな感じ
順位 | タイトル | 発売日 | 巻数 | |
1位 | ゴールデンタイム 春にしてブラックアウト 1 | 2010/9/8 | 全11巻 | |
2位 | お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ | 2010/12/21 | 既刊11巻 | |
3位 | はたらく魔王さま! | 2011/2/8 | 既刊18巻 | |
4位 | シロクロネクロ | 2011/2/8 | 既刊4巻 | |
5位 | 変態王子と笑わない猫。 | 2010/10/21 | 既刊11巻 | |
6位 | カナクのキセキ 1 | 2011/1/20 | 全5巻 | |
7位 | 俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 | 2010/5/7 | 単巻(回収) | |
8位 | 東京レイヴンズ 1 SHAMAN*CLAN | 2010/5/20 | 既刊18巻 | |
9位 | ハーレムはイヤッ!! | 2010/10/6 | 2巻打ち切り? | |
10位 | 彼女はつっこまれるのが好き! | 2010/7/8 | 全10巻 | |
12位 | なれる!SE 2週間でわかる?SE入門 | 2010/6/8 | 既刊15巻 | |
13位 | つきツキ! | 2010/11/20 | 既刊12巻 | |
14位 | この中に1人、妹がいる! | 2010/8/23 | 全11巻 | |
17位 | 精霊使いの剣舞 剣と学院と火猫少女 | 2010/12/20 | 既刊16巻 | |
19位 | 星刻の竜騎士(ドラグナー) | 2010/6/23 | 全20巻 | |
25位 | はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ) | 2010/5/1 | 既刊11巻 | |
33位 | 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる | 2011/2/15 | 既刊12巻 | |
35位 | デート・ア・ライブ 十香デッドエンド | 2011/3/19 | 既刊16巻 |
この年は当たり年だったと言える。後のアニメ化作品や、10巻以上続いた作品が大量にあり、とにかく本が売れたと言えると思う。2009年度発売のヒット作も2巻や3巻が2010年に売れたことで翌年以降の活力となった。
出版社別で言うと、MF文庫J台頭の年だったと思う。この辺りからの作品がそのまま後のテンプレラノベ、テンプレアニメ作品の素になっている。逆に電撃は受難の年だったのではないか。
全体的に言えるのは、ラブコメ全盛時代だったのかなということと、2010年度に成功した作家は、後々も残っているなという所かな。簡単なまとめですが、今回はこんな感じ。次は、2011年度をやっていきます。
数をしぼって記事を作った方が面白いかもなので、少し考えます。
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