新作ライトノベル紹介☆異世界監獄・楽園化計画 ―絶対無罪で指名手配犯の俺と＜属性：人食い＞のハンニバルガール―☆試し読み（９）

異世界監獄√楽園化計画 ―絶対無罪で指名手配犯の俺と<属性:人食い>のハンニバルガール― (ダッシュエックス文庫)

４月２５日発売！

この監獄、意外に楽園!?

俺たちの正義が監獄を変える!!　囚人たちの異世界ファンタジー!!

「ここにいるってことは、きみも犯罪者でしょ?」
記憶喪失の俺をトウと名づけた〈属性:人食い〉の美少女ナギサは微笑みながらそう言った。ここは異世界監獄サクラリメス。囚人となった俺は、自分の性格と適合した偉人・大罪人の魂を憑依させる異能力「アニマウェア」により《史上最悪の指名手配犯》であることが発覚する。無実を証明するための"自分探し"を始める俺だったが、天才少年医師、武士道を貫く美少年、鍵開けの天才少女、監獄を正しい道に導く聖女といった仲間たちと出会う中で、いつしか監獄が自分の居場所へと変わっていった。しかし、突如監獄の運営が終了し、異世界全種族奴隷化計画が始動。その時俺がとった行動とは――!?

異世界監獄連行もの!?。147ページの長い試し読みだが、ストーリーの筋はあまり進まず。
複雑な世界観設定やキャラクターの設定を描くのに終始されているため、ページ数は多くなる予感。
ストーリーとしては、記憶喪失の少年（ということは実力は未知数）が、異世界に隔離された監獄に連行されて、様々な人と会っているうちに事件が起きる。という感じ？　そのうち主人公が真の自分に目覚め、危機的状況を救うのかな。
そして、それで人間関係が崩れていくような話だとちょっと重め。めでたしめでたしになれば、軽めのストーリーになる。
まさか「大脱走」して「プリズンブレイク」するような話にはならないと思うが……。
幅広く色々なエンディングを作れる設定を作れているという意味で、先が面白そうなお話。

出るキャラ出るキャラ一風変わった狂人……、を狙ったのかもしれないが、特に「こいつ明らかにおかしいだろ！」と心そこから叫びたくなるキャラがいないのが残念。ただ、行いや性格をかなり工夫して作っているのは確かで、なよなよっとしたテンプレキャラじゃなく、主人公やストーリーに妥協しない筋の通ったキャラになっている。
思い込みの強い頑固なキャラクターが多いので、主人公周りで対立が起きると面白いラブコメになりそう。主人公は主人公で、常識人っぽく振る舞っているし、描かれてもいるが、外的要因とかでタガが外れると一気にはじけそう。例えば、「カンピオーネ」の草薙護堂なんかに似てると面白いかなと個人的に思った。
また、なんと言ってもMika Pikazoさんのイラストがすばらしい。口絵も挿絵も良いため、とても魅力的だ。表紙や、口絵で気に入った方は十分楽しめる作品なのでは無いだろうか。

異世界召還もの、異世界転生もの、結構沢山見て来たが、異世界強制連行もの、しかも先が、監獄というのは、結構斬新な設定に見える。監獄に連行されるような大悪人や大犯罪者たちなので、キャラクターに特徴を持たせることも可能。キャラクターに英雄や大罪人の魂を纏わせるという感じは、「Fate」あたりを意識したのかなとも思う。
ただ、色々な意味で、斬新な感じがするので、面白い設定になっていると思う。

特徴的な点としては、やっぱり異世界に連行されて監獄へという所が注目点になると思う。またメタ発言が多いコメディ部分や、ちょっと変わった言い回しなんかもあり、ラブコメに華を添えている。
「なあ、俺。お前、いったい、何をやらかしたんだよ……。」なんて表現もあるが、落語の「粗忽長屋」を思い出して、少し吹き出してしまった。同じものを意識したかはわからないが、表現の幅が広くページ数のわりに非常に読みやすかった。

正直、またテンプレかとか思って読んだりはしたんですが、テンプレの良い部分は生かしつつ、設定やキャラクターに新しい部分を足していっているので、純粋に続きが読みたいと思う作品でした。ストーリーも何となく一筋縄では行かなさそうなので、先が読めず、ワクワク感がもてる話だと思います。まあ、主人公がモテモテだろうなとか、きっと最強なんだろうなとか、そういう所は仕方ないかなと思いますが……。
・少しハラハラワクワクしたい人
・メタ的なギャグが好きな人
・表紙を見て気に入った人
・ちょろくてブレブレなキャラたちに飽き飽きして来た人
・テンプレラノベに飽き飽きしている人
上記の人にはオススメだと思います。